部屋

今月初め、新しい部屋へ引っ越した。アパートの最上階(といってもそんなに高くない)、屋根裏部屋。今までルームシェア暮らしで少し窮屈していたわたしにはうってつけのワンルームだった。

ルームシェアで何度か暮らしてきたけれど、毎回同居人との関わり方に悩んでしまう。天気のいい日、部屋に一日中居ると気にしてくる。ご飯に誘われる。放っておいて欲しかった。具合が悪い訳でも悲しい訳でもない。それら抜きでも人が部屋にこもっていることなんて珍しいことではないし、食事は自分のタイミングで摂りたいものだけを摂りたい。ルームシェアは家賃を折半することよりもコミュニケーションを目的として希望する人が多いことにようやく気づいた。

楽しく過ごしている人達も居るしそれを否定するつもりはないけど、自分にはあまり合わないかなと思う。

 

一番最初に住んだ部屋の家主はヒステリックな潔癖おばさんで本当にしんどかった。笑ってるか怒っているかその日の感情でぶつかってくるので適切な反応が瞬時に出来ず、ますます怒鳴られる。トイレ掃除はこれくらい綺麗にするの!!と怒鳴りながら便座を上げた部分に何度もキスしているのを目の当たりにした時は唖然とした。その息子は反抗期だったので、ほぼ毎日親子喧嘩の声と物に当たる音が隣の部屋から聞こえる。頼りにしていた別な同居人はすぐ引っ越してしまい、新しく入ってきた同居人は会ったその日に迫ってきて気持ち悪かった。友達がほぼ居なかった時期だったので誰にも相談できず、これがカルチャーショックか…くらいに思っていた。毎日ビクビクしながら住みつつやっと引っ越しを決め4ヶ月後、温厚な同居人と住むことができた。彼は日本語を勉強していて毎期アニメをチェックするくらいのオタクだった。たまに一緒にアニメを見たりすることもあったし、その時まどマギを教えてもらったことには感謝している。物腰柔らかく親しみやすかった反面かなりのエリートだったので、わたしが部屋でだらけているのが申し訳なくなったり邪魔に思ってるのではという自己嫌悪によく陥った。1年ほど住んだが一時帰国のタイミングで部屋を解約した。

その後住んだのはかなりイケイケな地区だった。お洒落なバーやカフェ、雑貨屋さんが立ち並び休日でも全く退屈せず住むことができた。だが元々半年の期限付きだった為知り合いを通じてまた違う部屋を見つけることとなる。

そこはかなりボロく天井にヒビが入っていたし、窓も少し割れていた。家主は隣国の人で、たまにストリートライブをしにくる際泊まるのだが半年で1回しか来ず実質一人暮らしと変わらず快適に過ごした。家賃も安く、同じマンションに住むカメラマンの友人ができたりと悪くない場所だった。

大学入学を機に別の街に引っ越し、最初の2ヶ月はairbnbの部屋を借りていた。そこの家主はとても優しくて程よい距離感で接してくれる(現在形)。そして今新しく住んでいる部屋もその人が知り合いから引き継いでくれた。家具も一式新調しいよいよ自分の暮らしが始まるなという思い。

 

ベッドを天窓の真下に置き、寝転がっていると雨が降ってきた。雨音が心地良く聞こえる。寝る前に点けるランプはまだ持っていなかったけれど、雲が薄明るいので全くの暗闇ではない。いつも色々な(でも何も結論の出ない)ことについて考える。周りに恵まれているなと純粋に思う。